国産かぶと虫の飼い方

【かぶと虫の飼育について】

国産かぶと虫を飼うのは、現在においては非常に簡単で誰でも飼えます。
しかも大事に飼うと結構長生きします。
(長生きした場合、成虫で4ケ月位生きる) また、累代飼育も簡単です。
なぜならホームセンターや昆虫ショップで飼育用品が簡単に手に入るからです。
成虫はゼリーと水分(霧吹きでマットに加水する)だけ有れば生きますし、
幼虫はマットと水分(霧吹きでマットに加水する)だけ有れば成長します。

【かぶと虫のライフサイクル】

夏から秋口に産卵 > 2週間位で孵化 > 冬までに3令幼虫に >
越冬時は動きが鈍くマットもあまり食べないが全く食べないわけでもない >
5月〜6月に蛹に > 2週間位で羽化 > 1週間位で後食開始 > 成虫は秋口に死亡

ポイント大きいかぶと虫にするには!
孵化から冬までの間と、3月から5月までの間に栄養価の高いマットをより多く食べさせて
幼虫を大きくできるかにかかっています。ちなみにかぶと虫は成虫になってからは大きくなりません。
※地方により温度差がある為、多少の誤差はあります。

【用意するもの】

★★★★ [絶対必要] 飼育ケース
★★★★ [絶対必要] エサのゼリー
★★★★ [絶対必要] 霧吹き
★★★   [ぜひ用意したい] かぶと虫用マット ※成虫飼育時は水苔(ミズゴケ)を使用する場合も。
★★★   [ぜひ用意したい] エサ皿
★★    [有ったほうが良い] のぼり木 または 転倒防止材
★      [有れば便利] コバエ防止シート

【用意するものの説明】

飼育ケース
飼育する数によりケースの大きさを決めます。成虫飼育にはプラケースが良い。
中ケース 以上を用意すること(小ケースは小さ過ぎて不可)。中ケースで2頭。
大ケースで3頭が良い。

エサのゼリー
通常、コーヒーフレッシュによく似た形の、16gのゼリーを売っています。
いろいろな種類 がありますが、安いもので十分です。
消臭ゼリーも売っているので臭いが気になる方は試 して見るのも良いと思いますが、
私が使用した限りでは効き目はあまり感じられませんで した。(しかも値段がけっこう高い)
16gだと1匹で、ほぼ1日〜2日で食べてしまい 飼育数が多い場合は、
特に交換がめんどうになりますので、このような場合はお勧めは30g または65gのゼリーです。
(私は65g派です)大きいので交換の手間を省くことができます。

霧吹き
百円ショップでいろいろ売っていますので気に入ったものを買いましょう。
水分は生き物 には欠かせません。マットが乾燥しないように管理しましょう。

かぶと虫用マット
成虫飼育で産卵させない場合
お勧めは白っぽいマット。黒っぽいマットよりかなり 安く産卵させないのならこれで十分です。
成虫飼育で産卵させたい場合
できるだけ粒子の細かい黒っぽいマットをたくさんケース に入れ、底から20cm位を少し固めに詰めます。
幼虫飼育のとき
マットは幼虫のエサなのでとても重要です。
初令のときは特に粒子の細 かい黒っぽいマットを使用します。
幼虫が小さいので粗いマットを使用するとマットを食 べにくい為成長しにくくなります。
とにかく、大きなかぶと虫にしようと思うのなら、幼虫時代(3令中期まで)に良質のマットを食べさせて、
どれだけ大きな幼虫に育てられる かにかかっています。
(ちなみにかぶと虫は成虫になってからは大きくなりません)
糞が多 くなってきたら新しいマットに交換して、絶対にエサ不足を起さないように注意しましょ う。
糞だらけになっているのにマット交換しない、栄養価の低い粗悪なマットを使用した りすると、
びっくりするようなチビカブトが誕生することになります。
マットによってダニが発生しないものと、しやすいものがあります。
また、最初から適度 の湿り気があってそのまま使用できるものと、
全く乾燥していて水と混ぜないと使用でき ないものとがあります。

エサ皿
かぶと虫の生命維持には直接関係無いようですが、ぜひそろえたいアイテムです。
ゼリーをのせる穴を開けている円形の木です。
普通ホームセンターなどに売っているのは16gゼ リー用がほとんどで、
30gや65g用はあまり売っているのを見かけないので貴重です。
転倒防止材としての役割も果たします。

のぼり木
または 転倒防止材 エサ皿だけでも転倒防止材になりますが、ケースの大きさからして、
エサ皿だけでは、何も無いスペースができてしまうので、
かぶと虫がひっくり返った際に起き上がれず、もが き続けて体力を消耗し寿命を縮めたり、
死亡したりするので丸い木や木の枝、葉っぱなど を入れてあげましょう。転倒防止とともに、
ひっくり返って起き上がる際につかまるとこ ろが必要なのです。

コバエ防止シート
これも飼育状況によりますが、マットを糞取りして長く使い続けたり、
ゼリー等のエサが 散乱していたりするとコバエが発生する場合があります。
これを防ぐ為に、プラケースと フタの間にコバエ防止シートという紙をはさんで使用します。
私はコバエがあまり発生したことが無いので、
もっぱらプラケース内の湿度を保つ為に使用しています。
これをはさ んでおくと湿気が逃げないので、しょっちゅう霧吹き等で加水する手間が省けます。

【飼育方法】

成虫
適当な大きさのプラスチックケース(網状のフタが付いた昆虫用のものが売っています) に
マットを10〜20cm位入れる(産卵させない場合でも昼間はマットに潜って休むので
あ る程度深く入れてあげたほうが長生きします)。産卵させたい場合は、
大プラケースにオス 1頭・メス2頭を入れるのが理想的です。国産かぶと虫は、オスがメスをいじめたり、
殺 したりということはしないので、安心して一緒に飼えます。
但し、オス同士を1つのケー スに入れるとしょっちゅうケンカしてお互いぼろぼろになりますし
(上翅に穴が開いたり、 足が取れたり、頭角が欠けたりする)体力の消耗により寿命が極端に短くなります。
エサは専用のゼリーを与えていれば手間がかからず飼育できます。
(スイカはかぶと虫がお腹 をこわし寿命を縮めるようなので与えないほうが良いと思います)
後は毎日1回、マット に霧吹きで加水するだけです。 毎日霧吹きするのが面倒な方は
(私はこれが楽しみだったが)コバエ防止シートを フタとケースの間にはさむと良い。
シートが水分の蒸発を防ぎマットの乾燥を防止してく れるので、数日おきの霧吹きで済むようになります。
ゼリーは一般的に16gのものが売 られていますが、これだとほぼ1日で食べてしまう為、
ほぼ毎日新しいものと交換するこ とになります。これが面倒な方は、
30gや65gのものを使用すると良いと思います。但し 夏は気温が高いせいでゼリーも傷みやすいので、
残っていても3日に1回は交換が必要で はないかと思います。
30gや65gゼリーはカブクワ専門ショップでないと売っていないかも知れないので、
入手できない場合は通販を利用する手が有ります。

幼虫
幼虫はただケースの中に水分を含んだマットを多めに入れて、その中に入れておくだけです。
後は水分が無くならないように霧吹きでマットを加水することと、
糞が多くなって きたらマット交換をすること位で、それ以外は放っておくと勝手に大きくなります。

[幼虫飼育のコツ]
お勧めのケースは密閉度の高いQBOXのような入れ物でQBOX-40位のサイズに
幼虫を5頭位入れて飼うのが適当と思います。
QBOXは密閉度が高いので、湿 気が逃げることがなく、マットに加水する手間を大幅に省けます。
プラケースは、フタの網が粗く密閉度が低いので、そのままだとすぐにマットが乾燥するので
毎日加水する必要があります。
そこでプラケースの場合はフタとケースとの間にコバエ防止シートを挟んでフタをすることにより
密閉度を上げて保湿すると良いです。

【飼育に関する注意点】

飼育温度
成虫・幼虫とも常温で飼育できるので、温度管理は必要有りません。
成虫は真夏のベランダでも飼育可能ですが、
直射日光に当たらないようケースの上にスダレをかけるなどの対策が必要です。
出来れば家の中で一番涼しい所、例えば玄関のげた箱の下などが置き場所としては適当ですし、
長生きさせるコツです。
幼虫は真冬に屋外でも飼育可能ですが、ケースやマットが凍ったり、
雪に埋もれたりすることが無いように注意して下さい。
極端に温度が低下すると幼虫が死亡する場合があります。
出来れば家の中で暖房していない所、例えば玄関のげた箱の下などが置き場所として適当です。
暖房している部屋に置いておくと幼虫が季節を間違えて早く蛹になったりする可能性があるので
注意が必要です。
国産かぶと虫は、夏の終わりから秋口に生まれて1年後の同じ時期に死ぬのが普通ですが、
温度管理して飼育すると冬に成虫になったりするようです。

水分
基本的には毎日1回、霧吹きをして水分を欠かさないようにしましょう。
マットは少し湿り気がある程度で良い。
軽くにぎって団子がくずれない程度と言われており、びちゃびちゃにするのは良くない。

エサ
エサ切れすると死んでしまうので、切らさないように注意しましょう。