
人口蛹室の作り方 国産かぶと虫編
【人口蛹室の作り方】
1.水分を含んだ幼虫飼育用マットを用意します。マットはホームセンターや昆虫ショップなどで
売っていますが、腐葉土は適しません。できるだけ目の細かいマットを使用して下さい。
人口蛹室はマットで作りますので、型くずれしないように、ぎゅっと握ると団子ができる程度に
水分を含ませます。
2.ケースはどんなものでも良いです。例えばプラケースやQBOXなどを用意します。
3.用意したケースにマットを少し固めに深さ10cm以上入れます。
マットをケース内にさっと入れただけだと、ふわふわの状態で蛹室作成には具合が良くないので、
手でぎゅっと少し固めに詰めて深さ10cm位になるようにします。
4.直径5cmのビンやペットボトルをフタをしたまま
マットに逆さまに突き立てます。
ぎゅ〜っとビンを頭からマットに真っ直ぐ突き立てて押し込みます。
5.ビンが逆さまに直立した状態で、ビンの回りのマットを棒などでぎゅっぎゅっと固めます。
固めるとマット表面が下に下がり深さが浅くなりますのでビンの回りにマットを追加して、
またぎゅっぎゅっと固めます。これを繰り返してマットの深さが10cm程度になるようにします。
6.次にビンをねじりながら、そ〜っと抜いて行きます。
ビンが刺さっていた形が崩れないように慎重に
抜きます。
7.ビンを抜き終わったらフタの部分とビン胴体部との
接合部分が段になっているので、指でならして底の
部分が卵の底部分のようになめらかな円形に
なるようにします。
8.はい、形を整えて人口蛹室の出来上がりです。
9.前蛹を、作った人工蛹室にそ〜っとお尻から
入れます。(直立している状態にする)
このとき前蛹になる前の幼虫を入れると
人口蛹室の壁を壊してマットの中に潜って
いってしまうので注意してください。
※人口蛹室の内壁は自然の蛹室と同様に、できるだけ
ツルツルにする方がいいです。
人口蛹室について
蛹室が正常に作られている場合は、自然の蛹室の方が蛹化不全や羽化不全になるリスクは少ないので
人口蛹室にわざわざは移す必要ありません。それではどのような場合に人口蛹室が必要となるのかと言うと・・・
1.蛹室が正常に作成されなかった場合
ケースの底や端っこなどに蛹室を作成した為、蛹室の形がおかしい場合や蛹室の深さがたりない場合等、
蛹化時の角曲がりや羽化時に下翅がうまくたたまれない等、蛹化不全や羽化不全が予想される場合。
2.蛹室そのものを作成しなかった場合
たまにマット上で前蛹になってしまい蛹室を作らない場合があります。
(幼虫が前蛹になってしまうと蛹室を作成できません)
3.蛹室をこわしてしまった場合
蛹室を作っているのを知らずにマット交換をしようとケースを
ひっくり返したり、マットを掘っていったりして、あなたが蛹室
をこわしてしまった場合、「しまった!」と言っても後のまつりです。
だいたい誰もが経験されると思いますが、こういう場合は人口蛹室を
作るしかありません。但し、前蛹になっていない場合は幼虫が再度
自分で蛹室を作成しますのでこの辺は見極めて下さい。
4.蛹化や羽化の様子を観察したい場合
自然の蛹室を露天掘りしても結構、蛹化や羽化の様子を観察できると思いますが、
人口蛹室だと蛹室の作成位置を見やすいところに出来るので、より観察しやすい状態にすることが可能です。
また自然蛹室の露天掘りの際に失敗して蛹室を壊してしまった場合も人口蛹室の出番となります。